図形概念形成時の文脈依存性について
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概要
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現在の計算機システムは、10年前のシステムに比べて随分使い勝手が向上してきてはいるが、まだまだ使い易いとは言いがたい。ユーザインタフェースの一層の向上が望まれるが、これまでのような表面的な方法だけでは済まされない。単なる知識にとどまらず、概念の共用、発想の共用が必要である。計算機に人間と同じような概念を持たせるためには、もっと基礎的な研究の積み重ねが必要であろう。従来の概念形成の研究では、種々の概念形成モデルが提案されてきている。工学的な立場に立つと、これまでの研究は、概念として何を取り込み、どう格納するかといった検討に役立つ。しかし、それらに共通することは、動的な過程が抜けていることである。いつ、どのような条件で、どう形成されるかといった過程の議論も必要である。また、言語的な対象ばかりではなく、ユーザインタフェース上重要な図形の概念形成についての研究も求められる。そこで本稿では、図形概念の形成過程について検討する。我々は、どの様な状況でも普遍的な概念を形成するのであろうか。個人がそれまでに獲得した知識や、概念を形成する時点の刺激の提示条件、状況などに影響され概念は形成されて行くのではないだろうか。ここでは、状況に応じて形成される概念が異なるか否かを心理実験により明らかにする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04
著者
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