人間のイメージ形成過程の特性を利用した画像検索システム
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概要
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従来の言語キーを用いる画像検索システムでは,検索者が検索のための適当な言語キーを思い付けない場合や,そもそも検索しようとする対象のイメージがはっきりしていないため,言語化できない場合がある等の点から検索が難しい欠点があった.そこで,これらの困難さを取り除こうとする研究が行われている.ところが,それらの方法に共通な欠点は,検索イメージが検索前にしっかり固まっていることを前提としていたことである.そのため,手元に検索すべきイメージがすでに存在する場合など,その応用範囲は限られていた.本研究は,検索前には漠然としたイメージしかない場合についての画像検索方法を提案する.筆者は,画像概念の形成過程が,それまでの刺激の系列の処理過程に影響されることを心理実験により明らかにした.衣服のカタロクデータベースから好みの服を選びだすような検索を想定してみると,検索しながら理想のイメージを形成していることになる.このような過程は,図形概念の形成過程と捉えることができる.そこで,心理実験結果を応用し,検索者がそれまでに好みの画像として選んだデータから類似性を計算し,データベースの中から類似性の高い画像を検索者に提示することにより,効率的な検索システムを構成できることを提案する.本稿では,顔面像検索を例題としてシステムの構成法を述べると共に,提案の妥当性を実験結果に基づき検証し,その有効性を明らかにする.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-07-15
著者
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