Prologにおけるルール照合フィルタの改良について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
OPS5で代表される前向き推論型プロダクションシステムの高速化技法として,RETEアルゴリズムやTREATアルゴリズムが良く知られている.これらアルゴリズムは,プロダクションシステム(PS)における照合過程を効率良く実行するためのものであり,McDermottが提案した照合フィルタの概念を用いてよく説明できる.実際のインプリメンテーションでは,一般に,照合フィルタはルールコンパイラーを用いて,ルールの条件部からある種のネットワークを構成することにより実現される.さらに,RETEネットワークでは,ネットワークのノードを共有することによりネットワークのメモリスペースの削減と照合過程の高速化を図っている.一方,Prolog上でこのようなネットワークに基づくフィルタを効率的に実現することは困難である.そこで,筆者らは,Prologの利点を生かした照合フィルタ生成のためのルールコンパイラを提案した.本コンパイラを組み込んだプロダクションシステムKORE/IEの高速性はOPS5よりすぐれた結果を示した.本アプローチでは,ルールの条件要素毎にLHS節と呼ばれるホーン節をひとつ生成する.これによりPrologのユニフィケーション機能やハッシュ・インデキシング機能を十分に利用した効率的な照合フィルタ(この照合フィルタのことをLHSフィルタと呼ぶ)の生成に成功している.しかしながら,LHSフィルタは,条件要素毎にLHS節を生成する必要性からメモリスペースの点で問題があった.本講演では,特に,メモリスペースを考慮したLHSフィルタの改良について論じる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
関連論文
- 関係テーブルに基づく推論エンジンKORE/IE
- Prologにおけるプロダクション照合フィルタの高速化
- 推論システムにおけるルール照合フィルタの並列化
- Prologにおけるルール照合フィルタの改良について
- 問題解決支援機構KORE/CDSSにおける知識の構造化