仮想計算機システムにおけるメモリ管理方式についての一考察
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概要
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NTTでは大型オンラインシステムのデバグへの適用をねらいとした仮想計算機システムの開発を進めてきた。大型オンラインシステムを仮想計算機システム上で走行させるには、立ち上げ時の短時間に大量の実メモリが必要となるため、仮想計算機モニタに対してメモリ過負荷状態が発生する。一般のOSにおける実メモリ管理では過負荷状態が発生した時にジョブを一時停止させたうえで、ジョブ単位でメモリを取り上げることも可能であるが、仮想計算機システムでは(実計算機の動作を疑似するために)各仮想計算機か常に走行しているように見せる必要があるため、仮想計算機を停止させてその仮想計算機に割り付けられているメモリを取り上げることはできない。従来までの仮想計算機システムの実メモリ管理では、実メモリ全体での利用効率の向上を考慮してワーキングセット法(WS法)を採用している。この方式では急激で多量な実メモリ要求が発生するような場合、メモリの2次記憶装置への掃き出し(ページアウト)を行なった後でなければ実メモリを割り付けられないため、立ち上げ処理の遅延等を招く原因となる。本論文では、実メモリの残量に敷居値を設けてページアウトの量と契機を動的に制御することにより、急激で多量なメモリ要求に対する割付能力を向上させるための方式について一案(以後、LWSize法と呼ぶ)を紹介するとともに、本方式の評価結果を示す。
- 1989-10-16
著者
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