日本語句構造文法を用いた文生成アルゴリズム
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概要
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文生成の問題は「何を言うか(what to say)」,「どのように言うか(how to say)」,及び処理のモデルの問題に分類できる。第1番目は中間表現をいかにつくるかという問題,2番目は中間表現と表層表現をいかにマッピングするかという問題,3番目は内容と言い方の決定を逐次的に行うか互いに影響させながら文を生成するかと言う問題である。ここでは句構造文法を用いた中間表現と表層表現とのマッピングの問題について考察する。議論をわかりやすくするために中間表現は何らかの方法により与えられるとし、処理は逐次的に進むものとする。Shieberでは句構造文法を用いて文解析・文生成を同一のアーキテクチャで実現する方法が述べられている。文生成に注目してみると句構造文法からの単純なアルゴリズムの効率の悪さを改良するために意味の単調性(semantic monotonicity)を用いている。しかしながらこのアルゴリズムには以下の問題がある。(1)意味情報を十分に利用していない(2)意図した文を出力するための生成過程の制御ができない本論文では句構造文法を用いた生成において意味情報を用いた効率を上げるための手法と機能要素の導入による文を絞り込むための手法について述べる。2章では文生成のための中間表現について、3章では効率改善のための技法、4章では生成する文の絞り込みの手法、5章ではアルゴリズムと例題について6章ではまとめと今後の課題について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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