複合名詞における語と語の関係について
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概要
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複合名詞は「文の凝縮」と言われるように、その中に含まれる語と語には多様な関係が存在する。例えば機械翻訳システムにおいてよりよい訳語を得ようとする場合にはこの関係を決定する必要がある。複合名詞の中の語と語の関係を決定するための情報として利用できるものとしては品詞情報、浅い意味情報(概念階層における位置)、深い意味情報(概念の構造)が存在する。関係を正確に決定するためには深い意味情報を考慮する方が望ましいが、このような構造を辞書中のすべての語彙に対して無矛盾に構築するのは難しい。ここではより一般性のある浅い意味情報を用いた関係の決定について考察する。浅い意味情報は個々の語に対して複数個付与される。概念階層をネットワークと考えると、語と語との関係を決定することは多義に相当する概念間の複数のリンクから正しい関係を表現しているリンクを選択することであると考えることかできる。このように考えると語と語の関係を決定する際に問題となるのは以下の2点てある。(1)どのようにして複数のリンクから最も確からしいリンクを選択するか。(2)リンクがどのような関係をあらわしているか。本研究では(1)の問題を中心に考察する。(1)の問題のために概念階層におけるリンクに対して条件を付与し、それを使って最も確からしいリンクを選択する方法を提案する。2章では複合名詞の中の関係を定義する。3章では複合名詞の語と語の関係を決定するために必要な条件にについて述べる。4章では3章で述べた条件付きの概念階層をもとにした関係の決定方法及びその決定率を調べた実験について考察する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
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