並列処理数値シミュレーションのためのスケーラビリティ検討方法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
科学技術分野の高速シミュレーションを並列処理で行う場合、シミュレーションの対象となる問題の性質、規模、計算スキーム、アルゴリズム、コーディング方法が性能に影響を与え、スケーラビリティの検討を困難なものにしている。この原因は、並列処理が問題の中にある並列性を利用して性能向上を図ることにある。このため、並列化率を知ることがまず重要となる。また並列処理のオーバーヘッドは、並列計算機のアーキテクチャと各種性能仕様に大きく依存する。これらのことを考慮すると、数値シミュレーションコードのスケーラビリティを検討するためには、並列化率と、並列処理のオーバーヘッドを統一して定量的に評価することが必要と考える。そこで本論文では、任意のターゲット数値シミュレーションに対し、プログラムの処理時間のモデルを作り、実効並列化率を定義して複数の並列計算機のスケーラビリティを検討する方法について述べる。このモデルのパラメータを測定すれば、ターゲットプログラムに対する既存の並列計算機のスケーラビリティを検討することができる。このモデルとパラメータを手掛かりにして、ターゲット数値シミュレーションに対しスケーラビリティを持つ並列計算機を設計することも、可能と考える。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-09-20
著者
関連論文
- プラズマ粒子コードのためのベクトル並列計算法
- 数値計算のための並列計算機性能評価方法
- 並列処理数値シミュレーションのためのスケーラビリティ検討方法
- 並列処理数値シミュレーションのためのスケーラビリティ検討方法