数値計算のための並列計算機性能評価方法
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概要
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プログラムレベルからループレベルまでの性能を一貫して評価する、数値計算のための並列計算機性能評価方法を提案する。この方法に使用するループの処理時間モデルの特徴は、理論最大性能flop/s等で規格化された効率を表す係数を導入し、ループレベルの性能評価を可能にした点にある。このループの処理時間モデルからプログラムの処理時間モデルを作成し、時間の測定によりモデル係数を決定し、プログラムレベルの性能評価を行うことができる。例として、この性能評価方法を粒子分割方法で並列化した分子動力学プログラムに対して適用し、ベクトル並列計算機VPP300の性能を評価した。その結果、分子動力学プログラムの性能は、粒子数、プロセッサ数に加えて遮蔽距離と物理量の観測回数に依存していることが分かった。またプログラムレベルの性能は、粒子数の増加とともに大きく向上する。理由は、粒子が少ないときに最も計算時間を費やすループが、粒子の増加とともに演算器を有効に使う他のループに入れ代わるためである。この性能評価方法は、計算機利用, プログラム開発, 計算機設計という3つの見地から成る性能評価を可能にする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-03-15
著者
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