Standard ML上でのマルチスレッド処理の実現
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概要
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並行処理モデルを実現する際に、マルチスレッドを用いる方法は広く採用されている。マルチスレッドの実装には、カーネルレベルのパッケージとユーザレベルのパッケージの2とおりの方法が採られているが、一般にユーザレベルのパッケージの方が、高価なシステム呼び出しを必要としないだけ効率がよいとされている。ユーザレベルのパッケージは、効率だけでなく、スケジューリング機構や同期機構についてプログラマが選択できる柔軟性も提供している。Wandは、並列処理系の機能として必須条件として、1)排他制御、2)プロセスの保存、3)データの保護の3点を指摘している。彼は、一等市民としての継続を用いることにより、プロセスの保存が容易に実現できることを示した。言語処理系が抽象データ型の機構を持つ限り、スレッド・パッケージ内のデータは保護される。彼は、これらの機能を持つ高級言語としてSchemeを採用している。一等市民としての継続が利用でき、かつ強力な抽象データ型機能を有する言語処理系として、Standard ML of New Jersey(SML/NJ)がある。筆者はこの言語を用いて、継続に基づく単一プロセッサ用マルチスレッド・パッケージを開発した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15
著者
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