構文解析・訳文生成同時実行による機械翻訳法
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概要
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機械翻訳の通常の方式では、最初に入力言語文を構文解析し、次に、その結果から、出力言語文を生成する。このような構文解析・訳文生成分離方式の採用は、BNF記法やChomskyの生成文法記法のような、言語の構文面のみに着目した文法記法が普及し、言語の意味面に対する一般的・標準的な記法が確立していないという事情に起因すると思われる。しかし、人間が言語を理解したり、翻訳したりするときは、構文解析が終ってから意味解析あるいは訳文生成を始めるのではなく、構文解析と意味理解あるいは訳文生成を同時並行的に進めている。このことは、構文という概念が、文法や機械翻訳の知識のない素朴な人間には、殆ど意識されることさえなく、与えられた文から直ちにその意味あるいは対応する訳文が心の中に形成されることからもわかる。このような人間が行っている方式に類似の方式により、機械翻訳や自然言語理解を行うことにすれば、丁度、人間に自国語や外国語を教えるときに使われるのと同様な形式の辞書や文法規則を計算機に入力機に入力すれば、それがそのまま機械翻訳あるいは自然言語理解プログラムとなるから、プログラムが人間にとって極めて作りやすく、理解しやすいものになる。本報では、Prolog言語を使い、この方針により作成した簡単な英文和訳プログラムと、その実行例を示す。なお、この方式は、自然言語の処理(翻訳・理解)だけでなく、計算機言語の処理系にも応用可能と考える。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-03-15
著者
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