パーソナルコンピュータシステムを利用した建築構造解析CADグラフィックスシステム

概要

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計算機援用設計(CAD)手法は、現在、各方面において多く使用されており建築設計の分野においても近い将来欠くことの出来ないものとなるであろう。しかし、現在16ビットパーソナルコンピュータ上で実現されているCADは、設計図面を点と線のみとして扱っており部材としての認識は為されていないのが実状である。建築の設計図は、普通意匠図(形を示す)、構造図(骨組みを示す)、設備図(給排水、設備機械、電気等)等で構成され、これらは独立ではなくオーバーラップして建物を構成している。従って、同一座標に機能の違った物が存在しうる。一般に、設計者は立体を意識してこれを平面上に絵として表現して来た。これを単にグラッフィックディスプレー上に移行せしめたCADでは、立体を意識する機能が無く単に点と線で構成される平面上の絵として認識されるので絶えず設計者は立体を意識することを強いられている。そこで、人間の思考過程に近い建物が立体であることを認識するCADシステムの開発を試みた。このことは、コンピュータに物として認識させることで実現可能である。グラフィックディスプレー上に描かれた図面のデータを、コンピュータが物として認識すれば、人間が与える問いかけに対して答えを出してくれる筈である。即ち、グラフィックディスプレー上に描かれた図面のデータ、(建築意匠図)を基にして、コンピュータ内部で人間の思考を助ける形で設計を進めることができるようになる。つまり、設計者の思考を助けてそのイメージを具体化する事により設計者の思考を活性化することができるCADシステムと言える。本報は、単に道具として使うCADではなく製図データを物として総合(構成)するCADシステムの構成について考察を行った結果の報告である。
1986-10-01

パーソナルコンピュータシステムを利用した建築構造解析CADグラフィックスシステム

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