Xウィンドウシステムによるオブジェクト指向プログラミング教育 : ヴィジェットライブラリを使っての演習の試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オブジェクト指向の概念をXウィンドウプログラミング(C言語+Xツールキット+Motifヴィジェットライブラリ)で演習する試みについて報告する。オブジェクト指向概念の学習とXウィンドウプログラミングの学習は個別の目的を持ち、両者を結びつける必要性も必然性もない。ウィンドウプログラミングでは、アプリケーションとのインターフェースとして主流であるGUI(Graphical User Interface)を用いるプログラム開発を学ぶ。これに対し、オブジェクト指向はより包括的な概念で、対象世界をモデル化、表現する概念と技術、さらに部品再利用の有効性を学ぶ。オブジェクト指向の概念を学ぶ道具としては、C++,Smalltalkなどオブジェクト指向プログラミング言語を使うのが適当であるのは言うまでもない。Xツールキットを使うためにオブジェクト指向の概念を理解することは必要であるが、反対にオブジェクト指向の学習にXツールキットを使うのは方向が違う。あえてXウィンドウプログラミングを素材とするには次の理由がある。(1)Xツールキットそのものに、部分的にではあるが、オブジェクト指向プログラミングの概念が取り入れられている。(2)オブジェクト指向の大きな利点である部品化が、GUIには特に有効である。それならば、C++とInterviewsクラスライブラリあるいはET++のようなアプリケーションフレームワークをツールとして使うことが考えられる。しかし、UNIX上で広く使われているツールの範囲内で、かつ実習科目に新たな環境、言語を導入しないという制限を設けた上で、オブジェクト指向プログラミングをシュミレートできる教材を開発したい。これが本試みの目的で、C言語の基礎とオブジェクト指向概念の学習後に位置づけられ、ウィンドウアプリケーション開発への導入であるとともに、カプセル化、インヘリタンス、情報隠蔽といった基本概念を演習する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-03-06
著者
関連論文
- ネットワークリテラシー教育のシラバスと教材研究
- チェックリストを使ったWebページの批判的評価とその効果
- 初等Javaプログラミング教育におけるデザインパターンの学習
- Xウィンドウシステムによるオブジェクト指向プログラミング教育 : ヴィジェットライブラリを使っての演習の試み
- プログラミングと分析力・思考力との関係に関する考察 : 専門学校におけるプログラミング教育