Aspergillus nigerによるイラン酸Beet MolassesとDate Syrupからクエン酸生産の比較
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概要
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Aspergillus niger ATCC 9142株を用いて, beet molassesとdate syrupからクエン酸生産に影響を与える因子が比較検討された.両基質は化学組成が非常に異なる.とりわけ窒素とリン酸ならびにbuffering actionの違いに焦点をあわせて調べられた.その結果, molasses倍地では無機リン酸が, date syrup倍地では窒素が増殖を制限している因子であることがわかった.さらにクエン酸生産の開始時のpHはmolasses倍地では4.4,date syrup倍地では3.0で, それ以後のpHの落ち方は, molasses倍地がdate syru倍地に比較して緩慢であった.このことは, molassesの高いbuffering actionによるもので, pH4.0から3.0の範囲で, molassesはdate syrupに比べて, 約10倍のbuffering actionを持っていた.この高いbuffering actionのため, molasses倍地では, かなり大量の蓚酸の副生が見られた.Buffering actionを落とすため, 2つの方法が考えられた.その一つは初発molassesの濃度を下げ, 醗酵が進行するにつれ, 新たにmolassesを添加する方法である.しかしこの方法では, pH5.0以下での新たなmolassesの添加は, クエン酸生産, 増殖共に完全に押えた.第二の方法は, molassesとdate syrupの混合基質を用いる方法である.クエン酸生産に最も良い, 両者の混合割合は, 300g/lのmolassesと200g/lのdate syrupを1 : 1(体積比)にする時に得られ, クエンの収量はmolasses単独に比べて6%増加した.しかしながら, Step change of pHほど良好な結果が得られず, その原因が考察された.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1976-02-25
著者
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小川 隆平
大阪大学 工学部 醗酵工学教室
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Shadafza D.
B.B.R.C., Arya-Mehr University of Technology
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小川 隆平
大阪大学, 工学部, 醗酵工学教室
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Fazeli A.
B.B.R.C., Arya-Mehr University of Technology
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Fazeli A.
B.b.r.c. Arya-mehr University Of Technology
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Shadafza D.
B.b.r.c. Arya-mehr University Of Technology
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Fazeli Abbas
B.B.R.C., Arya-Mehr University of Technology
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