Aspergillus nigerによるイラン産廃糖蜜からクエン酸生産に及ぼすFerrocyanide処理とStep Change of pHの相互作用
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概要
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Aspergillus niger ATCG9142株を用いて, 液内培養でイラン産beet molassesからクエン産生産の条件が調べられた.Molassesはbuffering actionが強く, クエン酸が生産され始める時点でも, pHは4.3付近にあり, 以後ゆるやかにpHが低下する.このpHの挙動のため, クエン酸と共に蓚酸がかなり蓄積する.そこで, pHが4.3付近から急激に3.0以下に落とす方法(step change of pH)を開発した.未処理molassesを用いて, pHを4.3から3.0以下に落とすと, 酸の生産は対照と比較して変化がなかったが, クエン酸のtotal acidsに対する割合が増加した.このことは, step change of pHの方法は, 副生する蓚酸の生産を押さえることを意味する.一方, 古くから使用されているferrocyanide処理を行なうと, 酸の生産は増加するが, 蓚酸の全体の酸に対する割合は変化しない.そこで, ferrocyanide処理とstep change of pHが併用された.その結果, 両者は相加的にきき, クエン酸の収率は消費糖に対して, 86%と飛躍的に増加した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1976-02-25
著者
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