N-Methyl-N'-Nitro-N-Nitrosoguanidineによる醤油酵母栄養変異株の誘導〔ノート〕
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概要
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醤油味噌醸造酵母のSaccharomyces rouxiiは, 半数体で栄養増殖をおこなうのを特徴とする, いわゆる半数体酵母であるがために, その遺伝学的な検討はほとんどなされていない.それゆえ研究材料としての栄養変異株を得る目的でN-Methyl-N'-Nitro-N-Nitrosoguanidine(MNNG)によるS. rouxiiの突然変異の誘起条件の検討をおこない, 後述のfree-spore suspensionを用いることによって効果的に変異株が得られることがわかった.栄養細胞を用いて各種条件下でMNNG処理をおこなった場合には, 変異株の出現頻度は非常に低く明確な要求株が得られがたかった.一方, 造成した倍数体細胞を既報の胞子形成培地で子嚢とした後, snail enzymeで処理し, さらにteflon homogenizerで軽く処理して得られたfree-spore suspensionを用いてpH 5.0(acetate buffer), 30℃, 500 μg/ml MNNGで80分間処理をおこなうとsurvivorsの約4%を, 1000 μg/mlの濃度で60分間処理すると約3.5%を栄養変異株として分離することができた. 分離変異株はアデニン, リジン, アルギニン, ロイシンなどの要求株が多かった.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1972-03-25
著者
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