振盪フラスコの装置特性 : (II)攪拌消費動力
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概要
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スケールアップあるいは振盪培養と通気撹拌培養との相関性から, 振盪フラスコの装置特性は, 従来, 主として酸素移動の面から検討されてきた.しかし石油醗酵の場合には, 酸素移動のみならず, 原料石油の混合, 分散, あるいは石油と菌体との離着, 等を撹拌強度と関連させて考慮する必要があると考えられる.そこで著者らは, 振盪フラスコの撹拌強度を知る目的で, 撹拌消費動力について検討した.そこで, あらかじめ加熱した液体を所定量フラスコに仕込み, 密栓を施したのち振盪して, フラスコ内の液温を経時的に測定した.この場合の熱収支式は本文中第(1)式で示される.これを(2)式を用いて整理すると第(3)式が得られる.(3)式に従って, フラスコ内液温と室温との温度差(t_F-t_0)に対して, 液温の冷却速度(-cdt_F/dθ)をプロットすれば, Fig. 3に示すように, ある一つの直線関係が得られ, このときの縦軸の切片の値dQ_0/dθから撹拌消費動力を算出した.その結果, (1)200ml容三角フラスコに40mlの水を仕込み, 回転半径25mmの振盪機で204rpmで振盪した場合, 単位液量当りの撹拌消費動力はヒダのないフラスコで, 0.26kW/kl, ヒダのあるフラスコで1.38kW/klであった.(2)フラスコ内の液量を増加させると, 単位液量当りの撹拌消費動力は指数関数的に減少した.(3)振盪速度を増加させると, 動力は通気撹拌槽の場合と同様, 速度の3乗にほぼ比例した.(4)振盪フラスコと通気撹拌槽との動力効率を比較し, 条件によっては両者が一致することが判った.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1972-03-25
著者
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