北海道渡島半島におけるヒノキアスナロ天然林の林分構造と樹種の共存関係
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概要
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北海道渡島半島のヒノキアスナロ林における出現樹種の共存関係を明らかにするため, 林分構造と各樹種の遷移系列上の位置, 相対直径成長率RDGR, そして最大サイズの関係について検討した。林内に出現した樹種の多くはlate successional種だった。ヒノキアスナロの直径分布構造は逆J字型に近かったが, 広葉樹類は断続的な分布型だった。ヒノキアスナロの小径木の分散構造は規則性を示したため林冠下でも更新可能であり, 一方, 広葉樹類の小径木は集中分布性を示したためギャップ更新が主体であると考えられた。林分はヒノキアスナロが優先する部分と, ブナがヒノキアスナロとともに優占する部分に分かれ, ブナが共同優占種の地位にあることがわかった。胸高直径D-RDGR関係は, ブナ以外の広葉樹ではRDGR=0になるサイズが最大Dとほぼ同じだったため, 最大Dの個体は生態的な寿命に到達していると示唆された。一方, ヒノキアスナロとブナは, 他の広葉樹よりも生態的な寿命が長いことが示唆された。
- 2000-11-16
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