水害防備林に関する研究(II) : 嘉瀬川の水害防備林と遊水地について
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概要
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わが国古来の治水法は霞堤・溢流堤, 遊水地と水害防備林であるといわれる。遊水地は大河川, 都市河川で, 霞堤・水害防備林は扇状地河川で活用のきざしが見えてきた。本来これらの機能は相互補完的なものであり, 機能の評価は総合的に検討されねばならない。本論は藩政時代の治水の遺構が上流から下流にわたって残っている佐賀県嘉瀬川についてその治水体系を復元し, その機能を検討したものである。嘉瀬川の自然的・社会的特性に応じて河川立地別に治水に対する河川の形状, 機能を明らかにし, 開発先進地帯における堤内遊水地の作用を明らかにした。このような治水体系の下における水害防備林のあり方と, その個別的な機能すなわち, 平水路の固定, 高水敷の保護, 水勢緩和とそれに基づく土砂の堆積等の作用についても定量的な検討を試みた。
- 1979-09-25
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