豪雪地帯におけるブナ二次林の再生過程に関する研究(II) : 主要構成樹種の伐り株の樹齢と萌芽能力との関係
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概要
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ブナ二次林において伐期と構成樹種の萌芽更新との関係を明らかにするために, 主要16樹種について伐り株の樹齢と伐採翌年に発生した萌芽の発生部位別の本数および長さの関係を調べた。その結果, 1)発生部位別の本数は大高木性樹種では伐り残された樹幹部に, 中・小高木性樹種では地際部にそれぞれ多くみられたが, 発生部位別の間の平均伸長量には二, 三の樹種を除いて有意な差は認められなかった。2)調査対象樹種における樹齢の増加にともなう萌芽発生本数の変化は, 凸型, 増加型, および一様型にそれぞれ分けられ, 同じく伸長量の変化は, 凸型, 増加型, 減少型, および一様型にそれぞれ分けられた。また, 樹齢と萌芽発生本数および伸長量との間の関係から, ブナ二次林が皆伐された後も引き続きブナが萌芽更新によって優占するための最適な伐期は, 25年前後と推定された。他方, 最適な伐期を越えて伐採された場合, 萌芽由来の高木樹種の相対的優占度はブナで低下しミズナラで増加する可能性が示唆された。
- 日本森林学会の論文
- 1986-04-25
著者
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- 森林の生態学-長期大規模研究からみえるもの-, 種生物学会編, 責任編集:正木隆・田中浩・柴田銃江, 文一総合出版, 2006年3月, 383ページ, 3,990円(税込), ISBN4-8299-1066-6(ブックス,Information)
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