山地流域の流出特性を考慮した一次元鉛直不飽和浸透流の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一次元鉛直条件における不飽和浸透流の基礎式を解いて得られる, 鉛直土柱よりの流出量の特性について, 解析を行った。解析にあたっては, 山地流域における流出特性との対応を重視し, そのために貯留関数法を利用した。得られた結果は以下のようである。土柱全体を飽和させた状態からの逓減過程においては, ハイドログラフを貯留関数法の基礎式の解によって表わすことができる。土柱表面に一定強度の降雨を供給したときの応答ハイドログラフは, 貯留関数のハイドログラフに時間遅れを与えることにより近似される。一定強度の蒸発が起こる場合, 逓減曲線の勾配は蒸発強度が大きいほど急になる。逓減過程において蒸発の影響で流出が停止するような場合, 流出停止後の蒸発による水分消失量は, その後に降雨があったときの損失量に等しくなる。このような土柱よりの流出量の特性は, 山地流域における流出特性とほぼ一致すると考えられた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1985-11-25
著者
関連論文
- 松くい虫による松枯れが流出に及ぼす影響
- 森林水文ワークショップ
- 森林土壌の水源涵養効果の解明に向けて
- 山地流域の流出特性を考慮した一次元鉛直不飽和浸透流の解析
- 一次元鉛直不飽和浸透によって生じる水面上昇の特性