施肥が閉鎖林に及ぼす影響に関する研究(I) : 2年間施肥したクロマツ林における葉量, 葉のチッ素含有率と生長との関係について
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概要
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14年生のクロマツ閉鎖林に施肥し, 2生育期を経過したところで供試木を撰び測定して, 施肥による生長量の変化と林分葉量や葉のチッ素含有率との関係について調べた。その結果, 樹高生長には最初の施肥から2年目に, 幹生長には最初に施肥した年より施肥の影響が現われた。施肥2年目の幹材積生長量は無施肥区で16.3m^3/haであったのに対し, 施肥区では19.0m^3/haであった。一方, 林分葉量は無施肥区と違いがなかった。さらに葉のチッ素含有率は無施肥区より高くなっていた。これらのことから, 閉鎖林に施肥した場合, その樹種の持ちうる上限に近い葉量を持っている林分では, 葉量は増加しないであろうということ, そして, 施肥によって葉量が増加しない場合でも葉のチッ素含有率が高まれば生長量は増加することがわかった。
- 日本森林学会の論文
- 1982-04-25
著者
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