小笠原諸島の暗赤色を呈する森林土壌について(II) : 粘土鉱物および遊離酸化物
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概要
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小翌原諸島の暗赤色を呈する土壌の生成条件を明らかにするため前報で環境条件, 形態, 粒径組成, ならびに一般化学性について報告した。本報では粘土鉱物および遊離酸化物について検討した。供試土壌はすべてカオリン系鉱物を含んでいるが, とくに粘土質の暗赤色土はカオリン系鉱物を主体としていた。粗砂・細砂質の暗赤色土は, 2 : 1型鉱物などその他の粘土鉱物の占める割合が相対的に大きい。一方, 火山系と考えた暗赤色土はカオリン系粘土鉱物以外のアルミノ珪酸塩鉱物をほとんど含まないことを特徴とした。細土の珪バン比, 珪鉄バン比は粘土質の暗赤色土で低く, 火山系と考えた暗赤色土は高く, 粗砂・細砂質の暗赤色土はそれらの中間の値を示した。粘土の珪バン比は, 低い値を示す粘土質の土壌でも非ラテライト的土壌に相当した。遊離酸化鉄の活性度, 結晶化指数は塩基系, 火山系と考えた土壌にかかわりなく永塚の黄褐色森林土の範囲にあり, 色調の類似する本邦の赤色土とは異なった値を示した。
- 1982-03-25
著者
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