樹幹半径の生長に対する生長曲線の適合性(I) : シロトウヒの場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
既存の生長曲線を論理構造に従い, 経験式, 疑似理論式, 特殊理論式, 一般理論式の4種類に分類し検討したところ, 樹幹半径の生長については一般理論式が最も妥当であるとの結論に達した。さらに3種の代表的一般理論式, MITSCHERLICH式, Logistic式, GOMPERTZ式をシロトウヒ(Picea glauca(MOENCH)VOSS)84個体の胸高半径生長にあてはめ, 各曲線式の妥当性を検討したところ, 現実の生長へのあてはめはMITSCHERLICH式が最も容易であり, あてはまりはGOMPERTZ式が最も優れていることがわかった。また理論式についての一般の通念とは逆に, これら三つの曲線において, あてはめによって得られる係数の値と理論から考えて妥当と思われる値の間にはかなりの食い違いがあることがわかった。この矛盾はLogistic式に顕著で, MITSCHERLICH式では穏やかである。各生長曲線の理論的および現実的な得失についてはまだ不明なところが多く, たとえば樹種をかえるなどしてこの種の研究を継続してゆくことが重要である。
- 日本森林学会の論文
- 1981-04-25
著者
関連論文
- TOGA-COARE集中観測期間中のパプアニューギニア、マヌス島における雲群の構造に関するドップラーレーダー観測 : 観測の概要
- 理論的幹曲線(I)
- 地球環境とグローバルフォレストリー(第106回日本林学会大会テーマ別セッションの概要記録)
- B03 年輪パターンを利用した過去の噴火イベントの解析 : 浅間山天明の噴火を例にして
- 理論的幹曲線(II)
- 樹幹半径の生長に対する生長曲線の適合性(III) : 生長曲線の予測性能
- 樹幹半径の生長に対する生長曲線の適合性(II) : バンクスマツの場合
- 樹幹半径の生長に対する生長曲線の適合性(I) : シロトウヒの場合
- 理論的樹高曲線(I) : 誘導と性質