ヒルミの林分蓄積動態論の検討
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概要
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ヒルミ理論は林分の収穫予測にとって有用なものであると思われる。本論文は, ヒルミ理論の実用化を目標とする立場から, その理論を検討したものである。その結果は次のとおりである。(1)ヒルミ理論における基本的な二つの仮説は, 森林生態学の知見によれば現実性の高いものである。(2)ヒルミによる生長式の導き方は, 生長論における他のいくつかの方法と本質的に共通した面をもつ。(3)ヒルミ理論は, 無間伐林分に限らず, 十分な立木密度をもつ林分であれば, 間伐を施されたことのある林分に対しても適用できると思われる。(4)ヒルミ式の係数の計算に関しては, ヒルミによる方法より, DEMINGの最小自乗法を用いるほうが適切である。(5)ヒルミ式を秋田地方スギ林収穫表に適用した結果, この例に関しては式の適合は良好であり, 係数に関してもヒルミの主張する仮説が成立していることがわかった。しかし, ヒルミ理論を一般的にわが国の収穫表に適用する前に, まだ検討すべき問題があると思われる。それについては今後の課題とする。
- 日本森林学会の論文
- 1979-07-25
著者
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