択伐林の蓄積生長式
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概要
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ヒルミの林分蓄積動態論を応用して, 択伐林における蓄積の生長予測を試みた。後継樹が十分多く存在する天然林では, 林分の構造を大きく変化させないような択伐施業が行なわれている場合, その林分蓄積の生長に対してヒルミの理論を適用できると思われる。その理論では, うっ閉した林分の蓄積の生長式として, いわゆるMITSCHERLICH式を用いている。そこで, 実際に択伐施業が行なわれている林分において, 約8年間の蓄積の生長に対してMITSCHERLICH式を適用し, その後の蓄積の生長予測を試みて実測値と比較した。その結果, 16個所の林分のうち8個所では, 誤差が大きかった。その原因を調べたところ, 全体の蓄積中に占める針葉樹の割合が, 係数を求めたときと予測を行なうときで5%以上違う場合は予測がはずれていたが, その差が小さい場合は多くの例で良好な予測値が得られていた。この結果から, 択伐林における蓄積の生長式としてMITSCHERLICH式はかなり有用であると思われるが, その係数は林分の構造的特性を考慮して決める必要があるといえる。
- 日本森林学会の論文
- 1980-09-25
著者
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