人工林初期段階における雑草群落に関する研究(III) : ササ地帯におけるアカマツ連年植栽地の植生変化
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概要
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岩手県の小岩井農場で人工林の初期段階における林地雑草群落についての調査を行なった。調査地はスギ林を1967年から1975年まで毎年, 1区画ずつ皆伐し, 逐次アカマツを植栽した個所で, 下刈は植栽年と1年目が年に2回, 2年目と3年目が1回だけ行なわれている。種数は2年目まで増加し, 3年目からゆるやかに減少した。雑草の現存量は皆伐により減少したが, すぐに回復し, 増加した。これは前報(I), (II)のスギ, カラマツ林の調査ではみられなかったことで, 林内光線が強いことを示している。数度は3年目まで増加し, 4年目から減少した。スギ前生林では丈の高い植物が多かったが, 皆伐・陽光の増加, 下刈により丈の短い植物が多くなり, 4年目から下刈の停止, 雑草間の競争により丈の高い植物が増加した。植生型は皆伐前がスギークマイザサ, 1〜4年目がクマイザサ-広葉草本, 5年目以降はアカマツ-クマイザサ型であった。なおアカマツの生長は4年目からよくなり, 全体的には良好な生長をとげていた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1977-01-25
著者
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- ○樹木根系図説, 苅住昇著, 1140ページ, 誠文堂新光社, 東京, 1979年, 38,000円
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