北上山地準平原土壌に関する研究(IX) : 北上山地北部における地形開析と土壌形態の変化
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概要
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北上山地北部は準平原-急斜地および準平原-緩斜地の2系列の地形で代表される。これらの地形を対象とし, カテナの概念により, 地形開析にともなう土壌形態の変化について解析を試みた。準平原-急斜地地形では, 正規侵食によって急斜地が形成され, 侵食地形における代表的なカテナを構成している。すなわち, この地形では, 準平原面から開析峰部, 開析斜面に移行するにつれて, 土壌の形態, 理・化学性が明らかに変化し, 準平原土壌の特徴はうすれる。しかしながら, 準平原-緩斜地地形では, 波状地の地貌を呈し, 準平原面と緩斜面の土壌間にあまり差異はなく, 緩斜面でも準平原土壌の特徴は保残されている。ただし, このような波状地は, 準平原面および緩斜面における層序の配列, 層位の特徴などから, 過去の寒冷気候下におけるsolifluctionのような, 化石周氷河作用に由来していることが考えられ, 土壌の形態も, そのような地形形成に支配されているものとみている。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1976-09-25
著者
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