針葉樹を害するタマバエの研究(III)
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概要
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これはニッポンカラマツを害するカラマツメタマバエの形態と生態についての報告である。新種であるカラマツメタマバエDasyneura nipponica sp.nov.は山梨県富士山麓地方に分布し, ニッポンカラマツの花芽に寄生して, 虫瘻をつくるので, 結実をさまたげ, 著しい被害をすることが, 遠藤昭, 古越隆信, 日塔正俊, 野淵輝氏等によって報告されている。欧州に産するDasyneura laricis Lowはヨーロッパカラマツの, 葉芽と花芽の両方に寄生して, 小枝と芽を乾枯せしめることが報告されているが, 日本産のDasyneura nipponica sp.nov.はもっぱら花芽に寄生して虫瘻をつくり, 結実を不良ならしめる。(Fig.5-7)日本産の種は, 欧州産の種とその形態が, 似ているので, 今日まで同定できなかったが, 筆者は1964年オーストリヤを視察したとき, 欧州産の被害標本と虫の標本を多数採集して, これらを比較した結果, 日本産のものは明らかに新種であることを確かめたので, ここに発表する次第である。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1966-01-25
著者
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