カラマツ当年生枝の成分に関する研究(V) : 生長期の茎葉中のフェノール性成分
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概要
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生長期の1976年6月19,20日に採集した5年生カラマツ当年生枝から6種のフラボノイド化合物を単離し, それらをIR, UV, MS, NMR等の機器分析, 加水分解, 誘導体の調製等の結果からkaempferol-3-O-glucoside(III), kaempferol-3-O-galactoside(VI), kaempferol-3-O-p-coumaroylglucoside(II), isorhamnetin-3-O-glucoside(V), taxifolin-3′-O-glucoside(IV), catechin(I)と同定した。さらにアグリコンフラクション中にeriodictyol(VII), taxifolin(VIII), epiafzelechin(IX)が, 配糖体フラクションの加水分解物中にquercetin(X)の存在することをTLC上で確認した。kaempferol-3-O-glucosideについてIAA oxidaseのco-factorとしての作用を明らかにするため, kaempferol-3-O-glucosideとIAAのカラマツ稚苗根の生育に及ぼす効果を調べた。kaempferol-3-O-glucosideは低濃度で根の生長を促進したが, 高濃度のIAAも根の生長を促進したため, はっきりした結論は得られたかった。catechinとtaxifolinについて, カラマツ下胚軸と当年生枝のさし木における発根阻害作用を検討したが, 発根阻害作用はまったく認められなかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1977-10-25
著者
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