瀬戸内はげ山復旧工事後の土壌(I) : 化学的性質の変化
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概要
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巨視的立場からみた瀬戸内地帯のはげ山土壌が, 復旧工事施工後, 年の経過に伴って示す変化のうち, 土壌層の生成分化と化学的性質を検討した。山腹階段工段上では, A層の平均的厚さが9年で2.7cm, 20年で2.0〜9.0cm, 40年で6.3cm, その1年間の生成割合は, 平均0.15cmである。有機態炭素は, A層で施工後14年に1〜6%に達し, B層では15年以後でも0.3〜1.5%の間にある。全窒素はA層で14年に0.1〜0.8%に達するが, B層では0.1%をこえない。有機態炭素と全窒素の変化は, 施工後年数に伴う緩慢な漸増傾向がうかがえる点で類似し, A層ではともに, 経過年数(x)に対する含有率(y)の変化をy=ax^nをもって, 地区別に推定されるようである。置換酸度は, A層で当初2〜13,14年で2〜20を示し, B層でもほぼ類似する。pH価は, AおよびB層とも5.0前後から4.0〜4.5の範囲へ, 酸性を強めてゆくように思われる。これらの諸結果は, はげ山復旧工事の現行工法により, 一応成林した林地土壌に期待しうる諸成分の含有量の範囲を示していると思われる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1969-07-25
著者
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