瀬戸内はげ山復旧工事後の土壌(II) : 理学的性質の変化
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概要
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前報につづき, 瀬戸内花崗岩地帯のはげ山復旧工事後, 経過年数に伴う土壌諸性質の変化のうち, 粒径組成および自然状態の土壌の理学性を, この地帯を総括した巨視的立場から検討した。粒径組成 : 各成分の変化は表層土でさえきわめて緩慢であり, 微砂および粘土量の, その他の粒径成分量に対する割合の変化からみても, 明確な傾向を示すとはいいにくい。自然状態の土壌の理学性 : 土壌の微粒成分と有機物が漸増の様相を示す結果, 土壌構造もきわめて緩慢ながら発達する。最大毛管水保持孔隙量では, わずかながら漸増の様相が, また容積重および非毛管水孔隙量では, ごくわずかながら漸減の様相がうかがえるが, いずれもばらつきが大きく明確な傾向を示すほどではない。これらの結果は, 表層部の土壌においてさえ, 諸性質の回復はきわめてわずかにすぎず, 復旧工事により一応成林しているとはいえ, 長年月を経ても土性や理学性が著しく悪い例が多く, 土壌は乾燥がちであり, その早急な改善発達は望みにくいことを示している。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1969-10-25
著者
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