マツ採種園における球果の虫害と薬剤防除の試み
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概要
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マツ採種園において, たねの生産上障害となっている球果の虫害調査と, その予備的な薬剤防除を, 関東林木育種場のアカマツ・クロマツ採種園で行なった。加害虫はマツヅアカシンムシが主体で, これにマツノシンマダラメイガがすこしまじり, その割合は15 : 1であった。マツヅアカシンムシの第1世代と第2世代の加害時期の境目である7月中旬までに, アカマツの2年生球果では8.5%, クロマツでは25.9%が虫害をうけていた。8月下旬における被害率はアカマツ23.1%, クロマツ43.1%であった。樹高や標高によっても球果の虫害率に差がある。一つの球果がうける虫害の程度は表面をわずかに食害されるものから, 枯死にいたるものまでさまざまであるが, 枯死をまぬがれた球果でも食害とやにの流出によってりんべんの開きが悪くなる。枯死は7月中旬以前の加害によることが多い。7月中旬にDDT, バイジット, エカチンの3種の乳剤を球果に散布したところ, 散布後の平均虫害発生率はそれぞれ2.0%, 4.7%, 11.4%で, 無処理区では20.5%であった。arcsin√<百分率>の変換値で検討したところ, 前2者と無処理区との間に有意な差がみられた。
- 日本森林学会の論文
- 1969-06-25
著者
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