樹木の成長解析法に関する研究(1) : 偏心円板の面積査定法
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概要
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来るべき木材時代にふさわしい, あたらしい成長解析法の樹立をめざし, まず従来の「樹幹析解」の再検討に着手したが, 今回は, 円板断面積の査定法につき, アカマツ, クロマツの偏心円板, 70個を材料として, 実験した結果を, 報告する。1) 誤差率, 平均誤差率, 正負誤差のツリアイ, などの諸点からみて, 右田式平均半径法と多数断面積平均法が, 特にすぐれている。また, この両方とも, 誤差率と偏心度との相関, 誤差率と直径偏差率との相関は, きわめて低いものであつた。2) 従来一般におこなわれる方法, すなわち, 本報で平均半径法と呼ぶ方法は, 平均誤差率が比較的大きく, マイナス誤差を与える可能性もつよく, 誤差率と偏心度との相関が, きわめて高い。その偏相関係数は+0.89である。また誤差率と直径偏差率とのそれは-0.49を示した。3) 偏心円板に対して, 平均半径法を用いるのは, 適当でなく, 右田式平均半径法または多数断面積平均法を, 適用すべきである。この両法の優劣は, にわかに決しがたいが, 右田式を推賞したいと思う。また, 現実の円板は, かならず, ある程度の偏心または直径偏差をともなうものであるから, 偏心, 非偏心の別なく, 一般に, 右田式平均半径法によることが, 望ましい, と考える。
- 日本森林学会の論文
- 1959-03-25
著者
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