クロマツ択伐作業林に関する研究(5) : 牟礼第1固定試験地第1経理期の生長
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概要
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著者は、このシリーズ第4報で林木の進階年数について述べたが、今回は固定試験地の生長について報告する。クロマツ択伐作業林の正確な計測に基づく生長分析は、おそらく本報が、学最初のものとなるであろう。資料は昭和36年2月(前回択伐直後)および40年1月(今回択伐界直前)、ならびに期間内毎年1月の実測数値である。計算はすべてGURNAUD-BIOLLEYの方法によった。生長について決定的なことをいうためには、なお数経理期にわたる成果を待たねばならないが、第1経理期について、観察された事実を要約すれば、およそ次のごとくである。1)ha当り総生長量は30m_3、年平均生長量は7.5m_3(27石)であった。2)全体としての生長率は11.5%であるが、第III径級でも7%の高率を示していた。3)択伐直後1年間の生長量は、著者の予想に反して、期間内で最高を示した。副木から土木への進級生長も、択伐直後1年間に最大で、その後は年とともに漸減の傾向がみられた。4)前回択伐後の残存木について、直径階別平均直径を指標として、直径生長の推移をみると、'期首直径(D_0)と期末直径(D_4)との間には次式が成立する。D_4=0.6770十1.1049D_0・・・(1)また直径生長率と直径との間には、次式が成立する。P_d=41.087D_0^<-0.3668>・・・(2)5)同一立木について、直径階別平均単木材積を指標として、材積生長の推移をみると、期首材積(V_0)一と期末材積(V_4)との間にはV_4=0.00566十1.3596V_0・・・(3)が成立し、材積生長率と直径との関係はP_v=171.91D^<-0.4941>・・・(4)であった。(1)〜(4)式の変化、その他、生長の動態的観察は続けて追究されるであろう。'
- 日本森林学会の論文
- 1965-11-25
著者
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