樹木種子の発芽におよぼす光の影響(第2報) : 光週的傾向について
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概要
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光感性種子を毎日照射して発芽を促進させる際, それぞれの種類によつて照射時間の長さに最適な長さが存在する事実を, 2,3の樹木種子(キリ, クロマツ, アカマツ)と数種の花卉種子(ヂキタリス, ツリガネソウ, ストツクテリバ, ビスカリヤ, ヒナゲシ, リナリヤ, カスミソウ)とについて調べた。1.この3種の樹木種子では9〜15時間の照射が最適で, 全光下では何れの種類でも発芽の低下が見られた。この低下は完熟前の種子では特に著しいように思われた。2.使用した範囲の花卉種子では極端な"短日性型"-最適照射時間が極端に短いもの-が意外に多いことが認められた。このような極端な短日性傾向は所謂暗発芽種子で見られる傾向であるから, これらの種子は従来の概念から云えば暗発芽種子に属すべきものかも知れない。3.光の発芽におよぼす作用の度合を知る方法としてKINZEL以来普通に使用されている自然光下の発芽率(N)と全暗の発芽率(D)との比較による方法は, 或る種類特に興味ある種類には適合しない。更に本誌に発表された小野の提案-全光下での発芽率(L)と全暗の発芽率(D)との比較による-は種子の発芽の光週傾向から否定された。以上の結果から著者等は光の発芽におよぼす作用度合乃至は傾向を知る方法としては光週曲線-毎日の照射時間の長さによる発芽率から得られた-によることが好ましいことを提案した。(文部省科学助成研究の一部である)
- 1955-11-25
著者
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