九州山地のモミ・ツガ天然林における12年間の林分構造の変化
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概要
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九州山地のモミ・ツガ天然林に0.25 haの調査区を設定し, 12年間(1983〜1995年)での林分構造の変化を, 種組成, サイズ分布, 階層構造, 樹木個体の動態について解析した。種数は30種から25種へと減少し, 種多様性を示すH'も1.21から1.12へと低下していた。胸高直径および樹高の分布において, 上層を優占しているモミが進級し, 広葉樹低木の個体数が減少していた。樹高分布においてツガと広葉樹高木の進級が認められた。平均樹高と個体の樹高との関係を示すH-h図により, 両年とも4階層に区分され, 全層において個体数, 種数は減少し, 消失率は下層ほど高かった。下層の光環境は更新や後継樹の生育に不適で, また野生シカによる被害も影響していると考えられた。上層から下層へ異動した個体数は, 下層から上層へ異動した個体数よりも多かった。個体の動態は階層により異なっており, 第II層では半数以上の個体が入れ替わっていた。階層を単位として樹木個体の動態を把握することは, 林分構造の経時変化の解析に対して有効な方法であると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1999-02-16
著者
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