防風林の疎密度と林帯幅に関する風洞実験
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概要
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日林誌84:85〜90,2002防風林の防風効果とその構造囚子の関係を調べるため,針葉樹模型を用いた風洞実験を行って,風速分布を測定した。実験では,LAD(葉面積密度m^2/m^3:Leaf Area Density)および林帯幅(W)を構造因子として用い,それらの囚子が風速分布特性を示すU_min(最小風速),X_min(最小風速の位置),d_2m(防風範囲)に反ぼす影響を調べた。その結果LADと分布特性との間には明確な関係が認められず,また,幅(W)と分布特性との間にも明確な関係が認められなかった。一方,LAD・Wと分布特性との間には,強い関係が認められた。U_minは,LAD・Wの増加とともに曲線的な減少傾向を示した。このことは,U_minの減少率は一定ではなく,ある程度LAD・Wが大きくなると,U_minの減少率が小さくなことを示唆している。防風範囲に関しては,d_20はLAD・Wと関係があり,LAD・Wが7のときに最大となった。こうしたことから,LAD・Wは防風林の風速分布特性を推定する有効な指標であると考えられる。
- 日本森林学会の論文
- 2002-05-16
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