折損被害に見るスギ人工林の壊滅的台風被害の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1991年9月の台風19号によって発生したスギ人工林の激害地を1992年3月に調査して、暴風によって生じる樹幹の折損機構を沢田モデルによって解析した。ほとんどの個体が折損した二つの壊滅的被害地それぞれに20m×20mのプロットを設け、すべての個体のサイズ(樹高、胸高直径など)および折損木の折損高、折損部直径を測定した。樹高曲線に拡張相対成長式を採用し、生枝下高が林分に固有の一定値をとると仮定することによって、風圧力によって樹幹内に生じる応力をシミュレートした。幹形を単テーパービームとみなして推定された折損高は、概して実際の値とよく一致した。樹幹内曲げ応力分布から、風圧力による樹幹の折損位置は材内部の物理的欠点のために予測位置を中心にばらつき、台風を生き残った立木でも樹幹に沿ってモメが発生していると考えられた。いくつかの樹幹形状比に応じた折損位置についても検討したが、このことは被害材の利活用および被害林分のその後の処理を考える上で重要である。
- 日本森林学会の論文
- 1994-11-01
著者
関連論文
- 90年生ヒノキ高齢林における枝葉現存量および垂直分布
- S1-14 日本における森林衰退の現状(S1. 酸性雨の問題を見直す, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 直径の異なるヒノキ細根の生産速度 : 3年間の観測結果
- 1-29 人工林の表層土壌における化学性の変化(1.物質循環・動態,2008年度愛知大会)
- P126 群落多層モデルを用いた冷温帯常緑樹林における熱・炭素収支の解析
- 馬尾松林根系発達過程の量的解析
- 焦点 長伐期林への道しるべ
- ヒノキ人工林における枝分布の定量的解析
- CO2収支評価における森林構造と動態 (特集:地球の炭素循環と一次生産)
- 植物への炭素蓄積のメカニズムと評価(森林からみた二酸化炭素問題)
- 折損被害に見るスギ人工林の壊滅的台風被害の解析
- 1991年台風19号によるスギ林木の折損被害発生機構の解析
- 節解析によるスギ林木の成長過程の復元
- 樹形をベースにした林分成長モデルの考え方
- 福島県いわき市における落葉広葉樹二次林の構造と成長経過
- 福島県いわき市における落葉広葉樹二次林の構造と成長経過
- 福島県いわき市における落葉広葉樹二次林の構造と成長経過