節解析によるスギ林木の成長過程の復元
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
樹木の成長履歴は,枝の節解析を含む年輪解析によって明らかにすることができる。本研究では年輪から枝の生存年数を読み取り,過去の現存量の成長経過を復元し,樹冠動態の解明を行った。調査対象木は22年生のスギである。層別刈取によって個体サイズおよび垂直分布を明らかにするとともに,節解析によって枝の発生から枯死までの成長過程の解読を行った。本調査林分は立木密度が高く,枝の生存年数は比較的短かった。個々の枝の生存年数を比較すると最長で13年,最短で3年,個体あたりの平均値は7〜8年であった。枝の生存年数と地上高を考慮して,各樹齢の樹冠基部の高さ(生枝下高)を推定した。さらに,現存量調査で得られている樹高と胸高直径等の相対成長式を適用して,樹高成長,樹齢ごとの各器官重を推定し,樹冠動態を明らかにした。本研究で得られた結果から,節解析を応用することにより,直径や樹高だけでなく,樹冠の成長や後退,現存量など過去の成長履歴を復元できることが確かめられた。
- 2010-12-25
著者
関連論文
- 90年生ヒノキ高齢林における枝葉現存量および垂直分布
- S1-14 日本における森林衰退の現状(S1. 酸性雨の問題を見直す, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 直径の異なるヒノキ細根の生産速度 : 3年間の観測結果
- 1-29 人工林の表層土壌における化学性の変化(1.物質循環・動態,2008年度愛知大会)
- P126 群落多層モデルを用いた冷温帯常緑樹林における熱・炭素収支の解析
- 馬尾松林根系発達過程の量的解析
- 焦点 長伐期林への道しるべ
- ヒノキ人工林における枝分布の定量的解析
- CO2収支評価における森林構造と動態 (特集:地球の炭素循環と一次生産)
- 植物への炭素蓄積のメカニズムと評価(森林からみた二酸化炭素問題)
- 折損被害に見るスギ人工林の壊滅的台風被害の解析
- 1991年台風19号によるスギ林木の折損被害発生機構の解析
- 甲信越地域におけるブナ葉面積の地理的変異
- 節解析によるスギ林木の成長過程の復元
- 樹形をベースにした林分成長モデルの考え方
- 福島県いわき市における落葉広葉樹二次林の構造と成長経過
- 福島県いわき市における落葉広葉樹二次林の構造と成長経過
- 福島県いわき市における落葉広葉樹二次林の構造と成長経過