繰返しのいらない保続計算法 : 標準伐採量の簡易決定法
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概要
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現行の保続計算は将来の伐採・更新計画と林分成長のようすとをシミュレーションで繰返し試算することにより標準伐採量を決定する。しかし, その計算労力の大きさは保続計算制度の大きな欠点となっているので, 繰返しなしで保続伐採計画と標準伐採量を決定できるアルゴリズムを報告する。まず最適解の制約条件と評価基準として国有林野経営規程の趣旨を次のとおり定義して用いた。1)将来の伐採量の非減少の原則(non・declining), 2)伐期齢の順守の原則(age-regulation), 3)標準伐採量の最大化の原則(maximization)。次に計算方法として現行の保続計算を1回だけ行い, そこで得られる各分期の伐採可能量を用いて「うしろ倒し谷埋め法」により保続伐採計画を作り, その結果から標準伐採量を決定する。この方法の特徴として, 1)計算労力の節約ができて, 2)計算者の主観が入らずに唯一の解が得られる。したがって, 簡易保続計算法であり, かつ, 標準伐採量の性格が明確で比較が可能であるので, 森林計画の立案手法として有用である。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1990-03-01
著者
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