美術研究とコレクション・ドキュメンテーション (<特集> 美術館・博物館のドキュメンテーション)
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概要
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現代の経済活動に強制された技術的な自然の馴化と,地上・地下資源の組織的開発と産業規模の拡大により,我々の環境世界は地球的規模で醜くなっている。同時に,人間はただ単に生活するだけではなく,美をも必要とする。その帰結として地域的都市開発計画や局所的都市建築の複合により,美しい人工的環境の整備も行われている。現在その中に,美術館・博物館の活動があると考えてよいだろう。これは両者共に科学技術の進歩のもたらす結果ではあるが,この過程の中で,我々の世界は,P・ヴァレリーの言葉を借りれば,「同時遍在性の征服」という状況を作り出しつつある。「水や,ガスや,電気が,遠方から我々の住居へとやってきて,殆ど無に等しい努力を用いる我々の要求に答えるのと同じように,我々は,ほんの僅かな動作,殆ど合図一つで生まれたり消えたりする視覚映像もしくは聴覚映像で養われることになるだろう。」この論文が発表された1931年からすでに半世紀以上たった現在の我々の感覚世界は,マルチメディアの時代へと変貌を遂げようとしている。
- 社団法人情報科学技術協会の論文
- 1992-07-01
著者
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