Barotrauma に対するゼラチン製剤の使用 : 気管支ファイバースコープによる
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概要
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人工呼吸器による呼吸管理中に合併した気胸(barotrauma)に対してはtube drainageのもとに持続吸引を行なうことしか治療方法はなかった。我々はこのような症状を示した4例について気管支ファイバースコープを用いてdrainage bronchusを完全に閉塞したところbarotraumaの改善をみた。材料は抗生剤を溶解した生理的食塩水を充分しみこませたゼラチンの小片を用いた。BFを用いて生検鉗子にてこのゼラチンの小片をdrainage bronchusに挿入して完全に閉塞させた。drainage bronchusは全例上葉支であったり, 2区域支以上が多かった。その後は, 胸腔持続吸引し, 肺を再膨張させた。ゼラチンで閉塞した気管支の末梢に閉塞性肺炎, 肺化膿症, 膿胸などが合併した例はなかった。barotraumaに対する気管支閉塞術は簡便で安全かつ完全であることから, 第1に選択されるべき方法と考える。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1984-09-25
著者
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小室 康男
旭中央病院内科
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中田 正幸
東邦大学医学部内科学第1講座
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小室 康男
旭中央病院呼吸器内科
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中田 正幸
東邦大学救命救急センター
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尾崎 元信
東邦大学医学部第1内科学教室
-
酒井 孝夫
東邦大学医学部第1内科
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尾崎 元信
東邦大学救命救急センター
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酒井 孝夫
東邦大学救命救急センター
-
尾崎 元信
東邦大学医学部第1内科
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