気管支病変を認めたp80NPM/ALK陰性Anaplastic Large Cell Lymphomaの1例
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概要
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背景.未分化大細胞型リンパ腫は悪性リンパ腫のうち比較的稀とされている.近年p80NPM/ALKの発現の有無により臨床的特徴が明らかとなった.症例.68歳男性.主訴は咳嗽.胸部レントゲン上,左下肺野に腫瘤影を認めた.2001年1月当院入院し,気管支鏡検査を行い,左上葉支,下葉支は気管支粘膜面が比較的保たれた腫瘍性病変によりほぼ閉塞をきたしていた.同部位の腫瘍生検を行い生検組織の免疫組織化学染色によって,p80NPM/ALK陰性anaplastic large cell lymphoma(以下ALCLと略す)の診断を得た.結論.本症例はp80NPM/ALK陰性ALCLの気管支病変を観察しえた稀な症例であった.Anaplastic large cell lymphoma(以下ALCLと略す)は1985年にSteinらがKi-1/CD30陽性で組織像,増殖および抗原発現様式に類似性を示すリンパ腫として最初に報告したもので,1現在悪性リンパ腫のTおよびNK細胞腫瘍に分類され,比較的稀とされている.本症例は縦隔内に巨大な腫瘤をきたし,一部気管支内に突出していたため気管支鏡にて病変を観察可能で,気管支鏡直視下腫瘍生検によりp80NPM/ALK陰性ALCL(T cell type)と診断しえたため,興味深い1例と考え報告する.
- 2004-11-25
著者
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