肺内転移を生じた左 B^4b 発生の気管支腺由来腫瘍の 1 例

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概要

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亜区域支に発生し, 初診時すでに同側他肺葉内転移を認めた気管支腺由来腫瘍の興味ある症例を経験したので報告する。症例は39歳の女性で胸痛を主訴として来院した。胸部X線写真上, 左S^4, S^8に腫瘤影が認められたため, 転移性肺腫瘍の疑いで入院した。左B^4bからの経気管支生検にて腺様嚢胞癌が強く疑われた。他臓器癌の転移も考えられたが, 頭頚部・生殖器等には腫瘍の存在を疑わせる所見はなかった。画像上, 左S^4の腫瘍は左S^8に比べて中枢側に位置するため, 左S^4原発の肺癌として, 左上葉・S^8部分切除術を施行した。切除後の病理組織像は, 腺様嚢胞癌が中心ではあるが, 一部には粘表皮癌及び淡明細胞癌様の部分も認められ, 気管支腺由来腫瘍と診断された。本症例は, 左S^8の末梢及びS^<1+2>, S^3の胸膜直下にも同じ組織像の腫瘍を認めたが, 左S^4の腫瘍からの血行性転移と考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1990-03-25

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