中枢気道病変に対する気管支鏡下高周波治療の経験

概要

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【目的】中枢気道病変に対する気管支鏡下高周波治療の有用性につき検討する。【対象】最近, 高周波治療を施行した4症例。症例1:82歳女性。主訴;喘鳴。気管乳頭腫。症例2:83歳男性。主訴;血痰。気管多形腺腫。症例3:79歳男性。主訴;血痰。右B^6入口部表層型扁平上皮癌。症例4:70歳男性。直腸癌気管多発転移。【方法】前処置および喉頭局所麻酔後, 高周波電源装置(PSD-20)を使用し, 気管支鏡(BF-1T40)下に施行。出力:15〜20W。症例1には, 消化器用高周波スネア, 症例2には凝固子(CD-6C-1), 症例3, 4には高周波ナイフ(KD-11Q-1)を使用。【結果】治療回数は, 症例1:1回, 症例2:6回, 症例3:2回。症例4:1回。1回あたり平均所要時間:約25分。症例2では, 少量の出血がみられたが, 自制内。いずれの症例においても, 血圧, 心電図, 酸素飽和度に変化はみられず。他に合併症はなし。治療後自覚症状の改善, 気道開存性改善および病変縮小を得た。【考察】気管支鏡下高周波治療は, 合併症は少なく, 高齢者にも適応可能である。また, 中枢気道病変に対する気道開存性の改善および悪性中枢気道病変の姑息的治療法等, 処置具の適切な選択によって, 多角的アプローチが可能である。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2001-03-25