局所麻酔下胸腔鏡診療 : 癌性胸膜炎の所見を中心に(<特集>局所麻酔下に行う胸腔鏡診療の臨床的意義)
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概要
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目的.局所麻酔下胸腔鏡による悪性腫瘍の胸膜病変診断の有用性を明らかにする.対象と方法.細径胸腔ビデオスコープ(Olympus LTF240)を使用し,悪性腫瘍の胸膜病変と診断した全症例を対象とした.結果.悪性腫瘍を基礎疾患に持つ34例の胸膜炎に局所麻酔下胸腔鏡を施行し,31例が最終的に悪性腫瘍の浸潤による胸膜炎と診断された.うち29例が局所麻酔下胸腔鏡により診断された.胸腔鏡所見としては全例胸膜肥厚を認め,28例は結節性病変を有していた.診断率は93.5%で偽陰性は1例(3.2%)であった.胸膜播種による隆起性病変の多くは多発性であり,壁側胸膜病変の生検により診断に至った.結論.局所麻酔下胸腔鏡による胸膜病変の診断は悪性腫瘍胸膜病変について検出能力が高く,壁側胸膜生検による病理診断は原発臓器診断に有力な情報となる.(気管支学.2004;26:326-330)
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 2004-05-25
著者
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鏑木 孝之
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター呼吸器内科
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雨宮 隆太
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター呼吸器外科
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雨宮 隆太
茨城県立中央病院
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雨宮 隆太
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター外科・手術部
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黒田 久俊
茨城県立中央病院・県地域がんセンター内科
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鏑木 孝之
茨城県立中央病院呼吸器グループ
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黒田 久俊
茨城県立中央病院呼吸器グループ
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鏑木 孝之
茨城県立中央病院・地域がんセンター呼吸器グループ
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