日本におけるコンピュータ開発史概要 : 国立科学博物館における調査を中心に(耐故障プロセッサとコンピュータシステム)
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概要
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1956年に富士写真フィルムの真空管コンピュータFUJICが完成し、これがわが国最初のコンピュータとなった。 1954年にパラメトロンが東大で発明され、東大ではPC-1の試作が開始された。続いて開発された電電公社電気通信研究所のMUSASINO-1が1957年に稼動し、これが最初のパラメトロンコンピュータとなった。トランジスタコンピュータについては電気試験所でETL Mark IIIが1956年に試作され、世界で最初のプログラム内蔵式トランジスタコンピュータとなった。つづいて実用機ETL Mark IV が1957年に開発され、これをもとに各社の商用機が開発された。1964年にシステム360が発表されコンピュータも第3世代に入り、わが国のコンピュータメーカの多くは海外企業と技術提携して対抗シリーズを発表した。 1970年以降の第3.5世代ではコンピュータメーカが3グループ化され、高性能LSIの開発により強力な国産コンピュータが次々と開発され、海外にも輸出された。80年代に入りわが国のコンピュータメーカはスーパーコンピュータ市場にも参入した。国立科学博物館では平成12年度よりわが国のコンピュータ開発とその保存状況についてJEITAおよび各社の協力のもとに調査を行ったが、保存されているものはごく一部であり大部分のものはすでに廃棄されている。わが国のコンピュータの歴史を正しく残していくためにも歴史的コンピュータの現物と関連資料の保存に努力していく必要がある。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2004-05-14
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