山口大学先進救急医療センターにおける血管疾患症例の検討
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概要
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【目的】当センター開設以来経験した,血管疾患症例の現況について検討した.【対象と方法】2000年1月1日から2003年12月31日の期間に当センターで経験した血管疾患113例を対象とした.内訳は,急性大動脈解離,破裂性胸部・胸腹部大動脈瘤,破裂性腹部大動脈瘤,急性四肢動脈閉塞症およびその他として感染性胸部下行大動脈穿孔と深部静脈血栓症であった.検討項目は,センター入室患者の内訳,年次症例数の推移,年齢,性別,センター入室経路,地域別内訳,治療方法および転帰とした.【結果】血管疾患は全センター入室症例の44%を占めた.年次症例数は増加しており,現在年間約30例の患者を受け入れている.センター入室経路は病院間搬送96例,救急搬送17例で,宇部市からの搬送が半数を占めた.治療方法は,手術65例,保存的治療36例,蘇生術12例であった.各疾患別には,急性大動脈解離(Stanford type A)は手術38例,保存的治療6例,蘇生術6例,急性大動脈解離(Stanford type B)は手術4例,保存的治療23例,破裂性胸部・胸腹部大動脈瘤は手術5例,保存的治療4例,蘇生術3例,破裂性腹部大動脈瘤は手術17例,保存的治療3例,蘇生術3例,急性四肢動脈閉塞症とその他の2症例はいずれも手術が施行された.転帰は,生存93例,死亡20例であった.各疾患別には,急性大動脈解離(Stanford type A)は生存33例,死亡17例,急性大動脈解離(Stanford type B)は生存24例,死亡3例,破裂性胸部・胸腹部大動脈瘤は生存9例,死亡3例,破裂性腹部大動脈瘤は生存17例,死亡6例,急性四肢動脈閉塞症は生存8例,死亡1例,その他の2症例はいずれも生存した.【結語】地域性により症例数は決して多いとはいえないが,心臓血管外科医と救急医の連携により良好な治療成績が得られた.
- 山口大学医学会の論文
- 2004-12-31
著者
-
吉村 耕一
山口大学医学部分子脈管病態学講座
-
笠岡 俊志
山口大学医学部第二内科
-
前川 剛志
山口大学医学部附属病院先進救急医療センター
-
伊東 博史
山口大学器官病態外科学
-
伊東 博史
山口大学第一外科
-
濱野 公一
山口大学医学部応用工学系・外科学第一講座
-
野村 真治
山口大学医学部器官病態外科学
-
古谷 彰
山口大学医学部器官病態外科学
-
濱野 公一
応用医工学系・外科学第一
-
秋山 紀雄
山口大学医学部器官制御医科学講座
-
古谷 彰
山口大学大学院医学系研究科器官病態外科学血管外科
-
古谷 彰
山口大学医学部
-
美甘 章仁
山口大学医学部第一外科
-
大楽 耕司
山口大学医学部血管外科
-
大楽 耕司
山陽小野田市民病院外科
-
野村 真治
山口大学大学院医学系研究科器官病態外科学血管外科
-
秋山 紀雄
愛媛労災病院外科
-
岡林 清司
山口大学医学部救急医学
-
伊東 博史
山口大学医学部器官制御医科学講座(第一外科)
-
鶴田 良介
山口大学医学部附属病院先進救急医療センター
-
岡林 清司
山口大学医学部附属病院先進救急医療センター
-
岡林 清司
山口大学医学部附属病院 高度救命救急センター
-
濱野 公一
山口大学器官病態外科
-
笠岡 俊志
山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター
-
笠岡 俊志
山口大学救急・生体侵襲制御医学
-
吉村 耕一
山口大学器官病態外科
-
前川 剛志
山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター
-
美甘 章仁
山口大学 大学院器官病態外科・心臓外科
-
吉村 耕一
山口大学大学院医学系研究科器官病態外科学
-
鶴田 良介
山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター
-
濱野 公一
山口大学医学部 器官制御医科学講座(第一外科)
-
前川 剛志
山口大学医学部救急医学
-
鶴田 良介
山口大学医学部附属病院
-
吉村 耕一
山口大学医学部分子脈管病態学
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