Peer-to-Peer環境における協調作業アプリケーションのための適応型調停プラットフォーム(ミドルウェア)

概要

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明示的なサーバが存在しないP2Pネットワークにおいて, 複数の参加者で同期型の協調作業を行う場合, 作業データに対する同期, 一貫性, 通信遅延の吸収, 順序付けなどを保証しなければならない場合があり, 参加者のいずれかの端末が一時的なサーバ(調停ノード)としてその役割を担当することで解決することができる.しかし, P2Pネットワークでは, ネットワークの不安定性, 通信遅延, 端末の相違などの特徴から, 任意に調停ノードを決定することは難しい.本論文では, P2Pネットワークを構成する各ノードの環境情報やアプリケーションの目的に応じて, 最適な調停ノードを, 動的に決定するACE (Adaptive Coordinator Election)プラットフォームを提案する.また, ACEは調停ノードに障害が発生した場合でも, アプリケーションへの影響を少なくするために, 調停ノードを再配置することができる.筆者らはJXTAを用いてACEを実装し, その動作確認および評価を行った.また, サンプルアプリケーションを実装し, その有効性を明らかにした.
一般社団法人情報処理学会の論文
2005-08-15