Rhizoctonia solani AG-1(IA)の菌糸融合型の特性と菌株分離場所, 分離後年数との関係
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概要
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分離場所の異なる韓国産Rhizoctonia solaniAG-1(IA)12菌株と分離場所および分離後年数の異なる日本産R. solani AG-1(IA)4菌株, AG-2-2(IIIB)3菌株との間の菌糸融合型とその頻度を調査した。自己菌糸融合ではAG-2-2に属する1菌株が接触融合のみを起こしたが, 他の供試菌株では細胞質融合と接触融合の両者が認められた。韓国産菌株のうち, WJB-5(IA)は日本産AG-1(IA)菌株の57-6およびHR-1と細胞質融合を起こし, その頻度はそれぞれ57.3%と54.3%であった。その他の韓国産菌株は日本産AG-1(IA)菌株と非細胞質融合と接触融合のみを起こした。WJB-5を含む韓国産AG-1菌株間の菌糸融合でも非細胞質融合と接触融合のみが認められた。また, 日本産AG-1菌株間の菌糸融合でも, 57-6とHR-1の組合せを除いては細胞質融合は認められず, 57-6とHR-1菌株間の細胞質融合においても融合細胞の形態が異常となる場合があり, 融合頻度もWJB-5と57-6あるいはWJB-5とHR-1間の頻度より低かった。細胞質融合を起こす上記3菌株のうち2菌株と同一地点から分離されたAG-1(IA)菌10菌株について相互に菌糸融合を試みたが, いずれの組合せにおいても細胞質融合は認められなかった。細胞質融合菌株間の融合特性およびその頻度はPDA培地上での継代培養によっても変化しなかった。以上の結果から, R. solani AG-1(IA)の菌糸融合特性は菌株の分離場所および分離後年数とは無関係であるものと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1988-04-25
著者
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